長寿梅(ちょうじゅばい)は、小さな鉢でも花がよく咲き、丈夫で育てやすい花もの盆栽です。名前に「梅」と付きますが、梅の仲間ではなく、春に赤い花を咲かせるボケ(木瓜)の仲間の小型の品種です。

春の花が終わったあとも、秋にもう一度花を付けることが多く、一年のうちに何度か花を楽しめます。花を毎年咲かせるには、剪定の時期を守って花芽を残すことがいちばん大切です。

長寿梅の特徴

葉は小さく、枝が細かく分かれ、幹は年数とともにごつごつとした味わいが出てきます。花は朱赤色が基本で、白い花の「白長寿梅」もあります。

ボケの仲間なので、枝にとげが出ることがあります。手入れのときは手袋をしておくと安心です。また、根元から新しい芽(ひこばえ)がよく出る性質があり、そのままにすると株立ちのように枝が増えていきます。

項目 長寿梅の目安
仲間 バラ科ボケ属(梅とは別の仲間)
花の時期 春(3〜5月)が中心。秋(10〜11月)にも返り咲く
花の色 朱赤色。白花の品種もある
置き場所 日当たりと風通しのよい屋外
植え替え 2〜3年に1回。早春か秋
難しさ 丈夫で初心者向き
名前・樹形図鑑「長寿梅」とは名前に梅とつきますが、ボケ(木瓜)の仲間の小型の品種です。春を中心に朱赤色の花を咲かせ、秋にも返り咲きます。 ›

置き場所

一年を通して、日当たりと風通しのよい屋外の棚に置きます。日がよく当たるほど花芽が付きやすくなり、葉も締まります。

夏は、午前中に日が当たり、午後は明るい日陰になる場所が向いています。小さな鉢は西日で土がすぐ乾き、葉が傷みやすくなります。

冬は寒さに強く、屋外のままで構いません。ただし小さな鉢は土ごと凍りやすいので、北風の当たらない軒下などに移します。花が咲いたときに室内に飾るなら、2〜3日で屋外へ戻します。置き場所の考え方は、こちらで詳しく説明しています。

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水やり

長寿梅は水を好む樹です。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。

春と秋は1日1回、真夏は朝と夕方の1日2回になる日もあります。冬は乾き方がゆっくりになるので、土が乾いたのを確かめてから、晴れた日の午前中に与えます。

注意

花の時期と夏は、水切れしやすい時期です。花が咲いている間に水が切れると、つぼみが落ちたり、花が早くしおれたりします。

乾いたかの見分け方は、こちらにまとめています。

あわせて読みたい盆栽の水やり|乾いたかの見分け方と、季節ごとの回数・時間帯の目安記事を読む ›

肥料

春の花が終わって新しい葉が伸び始めたころ(4月下旬〜6月)と、暑さがやわらぐ9〜10月に、ゆっくり効く固形の肥料を鉢の縁に置きます。

真夏と冬は与えません。肥料が多すぎると枝ばかり長く伸び、花芽が付きにくくなることがあります。小さな鉢では、袋に書かれた量より控えめにするくらいで十分です。

剪定と花芽

花芽と葉芽の見分け方

長寿梅の花芽は、夏(7〜8月ごろ)に作られ、秋から春にかけて膨らみます。花芽はふっくらと丸く、短い枝のつけ根あたりに多く付きます。葉芽は細くとがっていて、勢いよく伸びた枝の先のほうに多く見られます。

長寿梅の枝の切り方。花芽はふっくら丸く短い枝のつけ根に多い。葉芽は細くとがる。伸びた枝は2〜3芽を残して、その先を切る
図:伸びた枝は、花芽を含む2〜3芽を残して先を切ります

剪定の時期

いちばん大切な剪定は、春の花が終わったあと(5〜6月)です。花が終わった枝や長く伸びた枝を、2〜3芽を残して切り戻します。この時期に切っておくと、残した枝に夏の間に花芽が付きます。

8月以降に強く切ると、できたばかりの花芽を切り落としてしまい、翌春の花が減ります。秋から冬は、樹形を乱す長い枝や枯れ枝を整理する程度にとどめます。剪定の基本は剪定のガイドも参考にしてください。

ひこばえの整理

根元や幹の下のほうから出る芽は、樹の形を変えたいとき以外は早めに元から切り取ります。放っておくと、上の枝に回るはずの力が分かれ、花付きが悪くなります。

植え替え

植え替えは2〜3年に1回が目安です。時期は、芽が動き出す前の早春(2月下旬〜3月)か、暑さが落ち着いた秋(9月下旬〜10月)です。鉢底から根が出ている、水が染み込みにくいといった様子が見えたら時期です。

用土は、小粒の赤玉土を主体にしたものが扱いやすいです。古い土を3分の1ほど落とし、傷んだ根や長すぎる根を切ってから植え付けます。このとき、根にこぶのようなふくらみがないかを確かめます。こぶがある場合は根頭がんしゅ病の可能性があり、こぶの付いた根は切り取り、使ったはさみはよく洗います。

植え替え後の2週間ほどは、強い日差しと風を避けた明るい場所で管理します。手順は植え替えのガイドで詳しく説明しています。

花が終わったあとの手入れ

花がしおれたら、花がらを指先で摘み取ります。そのままにしておくと実を付けようとして樹が疲れ、カビの原因にもなります。花がらを摘んだら、花後の剪定と肥料に移ります。

秋の返り咲きは、春ほどたくさんは咲きませんが、紅葉の始まる時期に赤い花が見られるのも長寿梅ならではです。秋に咲いた花も、しおれたら同じように摘み取ります。

買ったばかりの長寿梅が花を付けている場合は、花が終わるまで植え替えや強い剪定をせず、水切れに気をつけて花を楽しみます。手入れは花後から始めれば十分です。

一年の作業カレンダー

関東の平地を想定した目安です。寒い地域では春の作業を2〜3週間遅らせます。

長寿梅の年間作業カレンダー。花は3〜5月が中心で10〜11月にも返り咲く。植え替えは2月下旬〜3月と9月下旬〜10月。剪定は花後の5〜6月が中心で、冬は軽く整理。肥料は4月下旬〜6月と9〜10月。7〜8月は水切れに注意
図:長寿梅の一年の作業(関東の平地の目安)

時期 樹の様子 主な作業
2〜3月 花芽が膨らむ 植え替え。遅霜に注意
3〜5月 花の時期 水切れに注意。花がらを摘む
5〜6月 新しい枝が伸びる 花後の剪定。肥料。アブラムシの確認
7〜8月 花芽ができる 午後の日差しを避ける。強い剪定はしない
9〜11月 返り咲き 肥料を再開。秋の植え替えもできる
12〜1月 休眠 鉢土の凍結を防ぐ。枯れ枝の整理

気をつけたい病気と害虫

長寿梅で気をつけたい3つ。赤星病は真柏などビャクシン類と離して置く。ひこばえは早めに元から切る。植え替えのときに根のこぶを確かめる
図:赤星病・ひこばえ・根のこぶの3つを覚えておきます

  • 赤星病:春に葉の表にオレンジ色の斑点が出る病気です。真柏などのビャクシン類との間でうつり合うため、同じ棚に並べず、離して置きます。出た葉は取り除きます。
  • アブラムシ:春の新芽や花のまわりに付きます。数が少なければ手で取り、多い場合は園芸用の殺虫剤を使います。
  • カイガラムシ:枝に白や茶色の小さな殻のようなものが付きます。歯ブラシなどでこすり落とします。
  • うどんこ病:葉に白い粉をまぶしたような跡が出ます。風通しの悪い場所で出やすいので、鉢の間隔をあけます。

ポイント

花が咲かない年は、前の年の夏以降に強く切っていないか、日当たりが足りているか、肥料が多すぎないかの3つを見直します。

長寿梅は、梅や桜と並んで花を楽しむ盆栽の定番です。ほかの花ものと比べたいときは花を楽しむ盆栽の選び方を、長寿梅を探すときは梅・長寿梅の盆栽一覧をご覧ください。