ウメモドキはモチノキ科の落葉樹で、名前は葉の形が梅に似ていることに由来します。初夏に目立たない小さな花が咲き、秋には小さな赤い実が枝にびっしりとつきます。葉が落ちたあとも実が残るので、冬の初めまで楽しめる実もの盆栽です。

育てるうえで知っておきたいのは、ウメモドキには実をつける雌木と、実をつけない雄木があることです。実を楽しむには雌木を選び、花の時期に雄木が近くにあることが条件になります。

ウメモドキの特徴

項目 内容
分類 モチノキ科の落葉低木
花 6月ごろ、葉の付け根に淡い紫色の小さな花
実 9〜10月に赤く色づき、落葉後も枝に残る
性質 水を好み、乾燥に弱い。寒さには強い
仲間 白い実のシロウメモドキ、黄色い実の品種もある

実のついた鉢は秋から冬にかけて出回ります。買うときは、実のつき方だけでなく、枝が枯れ込んでいないか、葉や枝に白い粒(カイガラムシ)がついていないかも確かめます。

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実がなる仕組み:雌木と雄木

ウメモドキは、雌花だけを咲かせる雌木と、雄花だけを咲かせる雄木が別々の株になっています。実がなるのは雌木だけで、そのためには雄木の花粉が虫に運ばれて雌花に届く必要があります。

ウメモドキの雌木と雄木。雌木は花のあとに赤い実をつける。雄木は花は咲くが実はならない。花粉は虫が運ぶ
図:実をつけるのは雌木。花の時期に雄木が近くにあると実つきがよくなります

雌木が1鉢だけでも、近所の庭木に雄木があれば実がつくことがあります。確実に実を楽しみたいときは、雄木の鉢を1つ用意し、6月の花の時期に雌木の近くに並べておきます。

ポイント

実のついた状態で買った樹は雌木です。翌年も実をつけたいときは、販売店で雄木も扱っているか尋ねてみてください。

置き場所

春から秋は、日当たりと風通しのよい屋外に置きます。日によく当たると花つきと実つきがよくなります。真夏は葉が焼けやすいので、午後に日陰になる場所に移すか、遮光ネットで日差しを和らげます。

冬は落葉して休眠するので、屋外で寒さに当てて構いません。実を残している間はヒヨドリなどの鳥に食べられることがあるので、鑑賞したい時期は軒下に置いたり、防鳥ネットをかけたりして守ります。

水やり

ウメモドキは水を好む樹です。土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。春と秋は1日1回、真夏は朝夕の2回が目安です。

注意

夏に一度でも水切れさせると、実が落ちたり、秋に実がしぼんだりします。夏の間は、出かける前と帰宅後に鉢の乾き具合を見るようにします。

鉢が小さく乾きやすい場合は、浅い水盤に鉢ごと置いたり、ひと回り大きな鉢に植え替えたりして、乾きすぎを防ぎます。乾き具合の見分け方は、こちらで説明しています。

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剪定:花と実がつく枝を知っておく

ウメモドキの花は、春に伸びた新しい枝の葉の付け根に咲きます。そのため、春に芽が伸びる前の2〜3月に枝を切り詰めても、そこから伸びる新しい枝に花が咲きます。

ウメモドキの剪定と花・実の位置。2〜3月に芽を2〜3個残して剪定する。6月ごろ新しい枝の葉の付け根に花が咲く。秋に赤い実がなり落葉後も残る
図:春に伸びた新しい枝に花が咲き、そのまま実になります

  • 2〜3月(主な剪定):伸びすぎた枝を、芽を2〜3個残して切り詰めます。枯れ枝、内側に向かう枝、重なった枝も元から切ります。
  • 5〜6月:花が咲く新しい枝なので、切らずに伸ばします。
  • 7月(軽く):実がついたのを確かめてから、実より先に長く伸びた枝だけを軽く切り戻して形を整えます。

剪定の基本は剪定のガイドも参考にしてください。

植え替えと用土

植え替えは、芽が動き出す前の3月上旬〜下旬が適期です。根の伸びが早いので、小さな鉢は1〜2年に1回、中くらいの鉢は2〜3年に1回を目安にします。

用土は赤玉土の小粒を主体に、水持ちをよくするため腐葉土を1〜2割混ぜたものが扱いやすいです。古い土を3分の1ほど落とし、長すぎる根を切ってから植え直します。手順は植え替えのガイドで詳しく説明しています。

肥料

4月から5月ごろと、実を楽しみ終えた後の秋(9月下旬〜10月)に、ゆっくり効く固形の肥料を鉢の縁に置きます。花が咲いて実がつく6〜7月に肥料を多く与えると、枝ばかり伸びて実が落ちやすくなるので控えます。

一年の作業カレンダー

ウメモドキの年間カレンダー。植え替えは3月、剪定は2〜3月と7月に軽く、花は6月ごろ、実は9月〜12月で1月まで残ることも。肥料は4〜5月と9月下旬〜10月、夏の日よけは7〜8月
図:ウメモドキの一年(関東の平地の目安)

害虫と不調

  • アブラムシ:春の新芽に集まります。数が少なければ手で取り除き、多い場合は園芸用の殺虫剤を使います。
  • カイガラムシ:枝に白や茶色の小さな粒がつきます。冬の落葉期に歯ブラシでこすり落とすと見つけやすいです。
  • 葉が巻いて中に虫がいる:ハマキムシの仲間です。見つけたら巻いた葉ごと取り除きます。
  • 葉の縁が茶色く縮れる:夏の水切れや葉焼けが考えられます。置き場所と水やりを見直します。

実がつかない・落ちるとき

実がつかない原因は、ほとんどが次のどれかです。

  1. 雄木が近くにない:花は咲いても受粉できず、実になりません。
  2. 5〜6月に新しい枝を切ってしまった:花の咲く枝がなくなります。
  3. 日当たりが足りない:花の数そのものが少なくなります。
  4. 夏の水切れ:いったんついた実が落ちてしまいます。

赤い実を楽しむ盆栽はウメモドキのほかにもあります。南天や姫リンゴなども含めて比べたいときは実を楽しむ盆栽の選び方を、同じく秋から冬に赤い実をつける南天の育て方は、こちらをご覧ください。

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