父の日は6月の第3日曜日です。盆栽を贈るときは、黒松や五葉松、真柏などの松柏類(しょうはくるい)がよく選ばれます。一年中緑の葉を保ち、幹や枝ぶりに年月を感じられる樹が多いので、花の時期を気にせず楽しめます。

ただ、松柏類はどれも屋外の日なたで育てる樹です。贈る相手が置き場所を用意できるか、手入れを趣味として楽しみたいかによって、向いている樹や大きさが変わります。

松柏類3種の違い

黒松、五葉松、真柏のちがい。どれも日によく当てる。黒松は乾いたらたっぷり水をやり6〜7月に芽切り、五葉松はやや乾かし気味で春に芽摘み、真柏は乾いたら水やりと葉水で芽摘みと針金かけ
図:どれも屋外の日なたで育てる樹です。違いは水やりと主な手入れにあります

樹 特徴 向いている人 夏の注意
黒松 太い幹と濃い緑の長い葉。丈夫で力強い姿 日当たりのよいベランダや庭がある人 水切れに注意。日当たりはよく保つ
五葉松 短く柔らかい葉が5本ずつ束になる。生長がゆっくり 落ち着いた姿を長く眺めたい人 蒸れに弱いので風通しをよく。水はやや控えめ
真柏 細かな鱗のような葉。幹がねじれ、白い舎利が見どころ 針金で形をつくる手入れを楽しみたい人 ハダニ予防に夕方の葉水

黒松は日によく当てて育てると葉が締まり、丈夫に育ちます。6〜7月に新しい芽を切る「芽切り」など、季節ごとの手入れがはっきりしているので、作業を覚えていく楽しみがあります。五葉松は生長がゆっくりで、大きく形が崩れにくい樹です。真柏は枝が柔らかく、針金で形をつけやすいので、樹形づくりに興味がある方に向いています。

白い壁の前に置かれた、幹が曲がりながら立ち上がる松の盆栽
写真:cultivar413 / CC BY 2.0

それぞれの育て方は、こちらで詳しく説明しています。

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相手に合わせた選び方

眺めて楽しみたい人

手入れより、季節ごとの姿を眺めることを楽しみたい方には、すでに形の整った樹を選びます。大きな作業をしなくても形を保ちやすい五葉松や、丈夫な黒松の小品が向いています。

手入れを趣味にしたい人

定年後の趣味として始めたい、手を動かすことが好き、という方には、少し枝の多い樹を選ぶと、剪定や針金かけで自分の形をつくっていけます。真柏や黒松の若い樹は、手を入れた分だけ姿が変わるので、続ける張り合いがあります。

屋外の置き場所がない人

松柏類は室内では育ちません。ベランダや庭がない場合は、室内で育てられるガジュマルなどの樹を選ぶほうが、長く楽しんでもらえます。室内向きの樹は室内に置きやすい盆栽の選び方で紹介しています。

ポイント

迷ったら、本人に「ベランダの日当たり」と「平日の朝に水やりの時間がとれるか」を聞いておきます。この二つが分かれば、樹の種類と鉢の大きさはほぼ決まります。

大きさと樹の見方

はじめての方には、高さ20cm前後までの小さめの盆栽が扱いやすい大きさです。鉢が大きいほど水持ちはよくなりますが、重くなり、ベランダでの移動が大変になります。反対に、手のひらに乗るほど小さな鉢は夏の乾きが早く、水やりの回数が増えます。

店頭で選べる場合は、次の点を見ておくと、届いてから弱る心配が減ります。

  • 葉の色にむらがなく、つやがあるか
  • 幹を軽く持ったとき、根元がぐらつかないか
  • 葉の付け根や枝に、白い綿のようなものや小さな虫がついていないか
  • 鉢底の穴から根がはみ出しすぎていないか

6月に届けるときの注意

父の日のある6月は、梅雨に入り、そのあと夏の暑さが始まる時期です。届いた直後の管理で弱らせないよう、次の点を伝えておきます。

  • 届いたらすぐに箱から出す:箱の中は蒸れやすく、特に梅雨どきは傷みやすくなります
  • 長雨のときの置き場所:雨が何日も続く場合は、軒下など雨の当たりすぎない場所へ移します。雨続きでも、葉が茂った樹では鉢の土が乾いていることがあります
  • 梅雨明けからの水切れ:梅雨が明けると土が急に乾くようになります。朝の水やりに加え、夕方にも土を見る習慣をつけてもらいます

配送で贈るときは、相手が家にいる日を確かめ、受け取りやすい日時を指定します。

届いてから1か月の世話

盆栽が届いてからの1か月。届いた日は半日陰で休ませて水やり、数日後から日当たりのよい屋外の棚へ、梅雨明けからは水切れと西日に注意
図:届いた日、数日後、梅雨明けで、置き場所と気をつけることが変わります

  1. 届いた日:箱から出し、土が乾いていれば鉢底から流れるまで水を与えます。直射日光の当たらない半日陰で休ませます
  2. 数日後から:日当たりと風通しのよい屋外の棚に移します。地面に直接置くより、棚の上のほうが蒸れにくくなります
  3. 梅雨明けから:水切れと、強い西日による鉢の過熱に気をつけます

室内に飾りたいときは、2〜3日までにして屋外に戻します。

一緒に贈ると喜ばれる道具

道具を添えるなら、たくさんそろえるより、すぐに使う物を少しだけにします。

  • ハス口のじょうろ:水がやわらかく出て、土が掘れにくい
  • 盆栽用の剪定ばさみ:伸びた枝や枯れ枝を切るのに使う。手入れを趣味にしたい方に
  • 育て方のメモ:置き場所、水やり、季節の手入れを短くまとめたもの

道具の選び方ははじめての盆栽鉢・土・道具の選び方でも紹介しています。

母の日に贈る盆栽の選び方は、こちらで説明しています。

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松柏類の盆栽をまとめて見るときは松・真柏など一年中緑を楽しむ盆栽を、相手や場面ごとの贈り方は盆栽ギフトの選び方をご覧ください。