盆栽の道具には、一本で数千円以上する専用品もあります。ただ、始めたばかりのころに使う道具の多くは、100円ショップやホームセンターで手に入る物で代わりがききます。

一方で、はさみや土、鉢のように、合わない物を使うと樹を傷めてしまう道具もあります。ここでは、身近な物で済ませてよい道具と、専用品を選びたい道具を分けて説明します。

代わりになる物と、専用品にしたい物

100円ショップの物で代わりになる道具と、専用品にしたい道具の比較
図:作業を助ける小物は代用できます。樹に直接触れる刃物と、根が育つ土・鉢は専用品を選びます

道具 身近な物で代わりになるか 使い方・選び方
霧吹き なる 葉水や、苔の乾燥を防ぐのに使う。細かい霧が出るものを
ピンセット なる 雑草や枯れ葉を取る、苔を張るときに使う。先がそろったものを
竹串・割り箸 なる 植え付けのとき、根のすき間に土を入れる。乾き具合を見るのにも使える
鉢底ネット なる 鉢底の穴をふさいで、土がこぼれるのを防ぐ。はさみで穴の大きさに切る
ふるい なる 土の細かい粉を落とす。台所用の目の粗いざるでも代用できる
じょうろ 条件つき 先に細かい穴のあいたハス口がついているものを選ぶ
剪定ばさみ 細い枝だけ 太い枝は専用のはさみで切る
土 避けたい 赤玉土の小粒など、盆栽向けの土を使う
鉢 条件つき 底穴があり、大きさが合うものに限る
針金 練習用のみ 樹の形をつけるなら盆栽用のアルミ線か銅線を

ポイント

迷ったら「樹に直接触れる刃物」と「根が育つ土と鉢」には費用をかけ、それ以外は身近な物で済ませる、と考えると選びやすくなります。

はじめての1か月盆栽が届いた日から1か月の世話を、チェックしながら進める置き場所・水やり・植え替えを急がないことなど ›

専用品にしたい物

剪定ばさみ

文房具や工作用のはさみは、紙を切るように刃が作られているため、生きた枝を切ると切り口がつぶれやすくなります。つぶれた切り口は治りが遅く、そこから枯れ込むことがあります。

芽先や細い枝を切る程度なら身近なはさみでも構いませんが、鉛筆より太い枝を切るときは、盆栽用の剪定ばさみを使います。最初の一本は、細い枝から中くらいの枝まで切れる標準的な大きさのものが使いやすいです。

土

観葉植物用や草花用の培養土は、細かい粒が多く、水を長く含むように作られています。小さな盆栽鉢に使うと、土がいつまでも乾かず、根が傷む原因になります。

盆栽には、赤玉土の小粒を中心にした水はけのよい土を使います。赤玉土は園芸店やホームセンターで手に入り、少量の袋もあります。使う前にふるいで細かい粉を落としておくと、水はけがさらによくなります。

鉢

100円ショップにも小さな鉢はありますが、選ぶときは底穴を確かめます。穴が小さすぎる鉢や、穴のない器は、水が抜けずに根が傷みます。

盆栽鉢は底穴が大きく、鉢の内側に樹を固定する針金を通す小さな穴もあります。樹を植え替えるときに専用の鉢を一つ用意しておくと、根の育ち方が安定します。

針金

手芸用のワイヤーは、柔らかすぎたり、表面に色の塗装がしてあったりして、盆栽の枝の形をつけるには向きません。枝を曲げる練習をしたり、鉢に樹を固定したりする程度なら使えます。

枝の形をつけるときは、盆栽用のアルミ線か銅線を使います。太さの違うものが何種類かあると、枝の太さに合わせて選べます。

鉢の中のつくりと、最初の植え付け

苗木を鉢に植えるときの基本は、どの道具を使っても同じです。

盆栽の鉢の中のつくり。底穴に鉢底ネットを当て、大粒の土を薄く敷き、赤玉土の小粒などで植え、針金で樹を固定する
図:鉢底ネット、大粒の土、植え付け用の土の順に入れ、樹を針金で固定します

  1. 鉢底の穴に、穴より一回り大きく切った鉢底ネットを当てる
  2. 鉢の内側の小さな穴に針金を通し、樹を固定する準備をする
  3. 底に大粒の土を薄く敷き、その上に赤玉土の小粒などを入れる
  4. 苗木の根を竹串でほぐし、長すぎる根を切ってから鉢に置く
  5. 土を入れながら竹串で根のすき間をつつき、土を行き渡らせる
  6. 針金で樹を固定し、鉢底から澄んだ水が出るまでたっぷり水を与える

植え付けた後の1〜2週間は、強い日差しと風の当たらない明るい場所で休ませます。手順は植え替えのガイドでも詳しく説明しています。

注意

苗木は、盆栽に向く樹種を園芸店や盆栽園で選ぶのが確実です。観葉植物を盆栽風に仕立てることもできますが、松やもみじなど屋外で育つ樹とは置き場所や水やりが大きく異なります。

苔や小物の活用

苔を張ると、土の乾燥や水やりのときの土の跳ね返りを防げます。苔は園芸店などで手に入り、ピンセットで小さくちぎって土の上に並べ、霧吹きで湿らせて落ち着かせます。

パックに入った苔と、小さな動物の形の鉢。苔や小物を組み合わせて小さな盆栽を作る
写真:yoppy / CC BY 2.0

小さな器や飾り物を添えると、ミニ盆栽らしい雰囲気が出ます。器を鉢として使う場合は、底穴があるかを必ず確かめます。

身近な店で買うときに確かめること

同じ名前の商品でも、作りはさまざまです。盆栽に使う物を選ぶときは、次の点を手に取って確かめます。

  • 鉢:底穴の大きさ。穴が指先ほどしかない器は避けます
  • じょうろ:先にハス口がついているか、取り外せるか。水を入れた重さで持ちにくくならないか
  • 霧吹き:細かい霧が出るか。勢いよく水が出るものは苔や小さな芽を傷めます
  • ピンセット:先がしっかり合わさるか。先が開いたままのものは細かい作業がしにくくなります
  • ふるい・ざる:目の大きさ。赤玉土の粉が落ち、粒は残るくらいが目安です

道具をそろえる順番

最初から全部をそろえる必要はありません。次の順で、必要になったときに買い足していくと無駄がありません。

  1. 最初に:ハス口のじょうろ、霧吹き、ピンセット、竹串
  2. 植え替えのとき:盆栽用の土、鉢底ネット、専用の鉢
  3. 剪定を始めるとき:盆栽用の剪定ばさみ
  4. 樹形をつくり始めるとき:盆栽用の針金と針金切り

専用の道具を選ぶときの考え方は、こちらにまとめています。

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鉢や土をまとめて見比べたいときははじめての盆栽鉢・土・道具の選び方もご覧ください。盆栽そのものの始め方は、盆栽の始め方のガイドで説明しています。