盆栽を室内で楽しみたいときに最初に確かめたいのは、その樹が室内で育つ樹かどうかです。松やもみじ、さつき、梅など、盆栽でよく使われる樹の多くは屋外で育つ植物で、部屋に置き続けると数か月のうちに弱っていきます。

室内で長く育てられるのは、ガジュマルなど暖かい地域に自生する樹です。ここでは、樹の選び方と、窓辺での置き方・水やりを順に説明します。

室内で育てやすい樹と、屋外で育てる樹

室内で育てやすい樹と、屋外で育てて数日だけ飾る樹。ガジュマル、ベンジャミンなどのフィカス、シェフレラは室内向き。松、真柏、もみじ、欅、さつき、梅、長寿梅、寒椿は屋外で育て、部屋に飾るのは2〜3日まで
図:室内で通年育てられる樹と、屋外で育てて飾るときだけ部屋に入れる樹があります

樹 室内での育てやすさ 置き方の目安
ガジュマル 育てやすい 明るい窓辺。春〜秋は屋外に出すとさらに丈夫に
ベンジャミンなどフィカスの仲間 育てやすい 明るい窓辺。置き場所を頻繁に変えると葉を落としやすい
シェフレラ(カポック) 育てやすい 明るい窓辺。暗い場所でも耐えるが、枝が間延びしやすい
松・真柏 室内には向かない 屋外の日なたで育て、飾るのは2〜3日まで
もみじ・欅 室内には向かない 屋外で育てる。冬の寒さに当てることで春の芽吹きがそろう
さつき・梅・長寿梅・寒椿 室内には向かない 屋外で育て、花の時期に数日だけ部屋に飾る

屋外向きの樹を室内に置き続けると、光が足りずに枝がひょろひょろと伸びたり、葉の色が薄くなったりします。落葉樹は冬の寒さを感じられないと、春の芽吹きが乱れることもあります。

ベランダが少しでもあるなら、屋外の樹をふだんはベランダで育て、来客や季節の行事に合わせて部屋に飾る方法もあります。ベランダでの置き方は、こちらで説明しています。

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窓辺の置き場所

室内で育てる樹でも、光は必要です。いちばん向いているのは、レースカーテン越しに日が入る明るい窓辺です。

室内の盆栽の置き場所。レースカーテン越しの明るい窓辺で、窓から少し離す。エアコンの風が直接当たる場所は避け、冬の夜は部屋の内側へ
図:明るい窓辺に置き、エアコンの風と冬の夜の冷え込みを避けます

  • 明るさ:南や東向きの窓辺が向いています。北向きの窓や部屋の奥では光が足りず、枝が間延びしやすくなります
  • 直射日光:夏の窓越しの強い日差しは葉焼けの原因になります。レースカーテンで和らげます
  • エアコンの風:冷房でも暖房でも、風が直接当たると葉が乾いて落ちます。吹き出し口の前は避けます
  • 冬の窓際:夜は窓の近くが冷え込みます。夕方には部屋の内側に移します
  • 向き:光の来る方へ枝が傾くので、1〜2週間に一度、鉢の向きを回します

季節の目安

ガジュマルなど暖かい地域の樹は、冬は5℃を下回らない場所に置くのが目安です。暖房を切った夜の窓際は、思った以上に冷えることがあります。

春から秋は、ガジュマルなども屋外の明るい日陰に出すと、葉が締まり丈夫になります。出すときは、いきなり直射日光に当てず、数日かけて慣らします。

室内での水やり

土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまで与えます。室内は屋外より乾きがゆっくりなので、毎日決まって与えるのではなく、土の色と鉢の重さで確かめます。

青い鉢に植えられた、葉のつややかなフィカスの盆栽
写真:Ronald Douglas Frazier / CC BY 2.0

  1. 鉢を流しや浴室、ベランダに運ぶ
  2. 鉢底から水が流れ出るまで、ゆっくり注ぐ
  3. 水が切れるまで数分待つ
  4. 受け皿をふいてから、元の場所に戻す

受け皿に水がたまったままだと、鉢底がいつまでも湿って根が傷みます。暖房で空気が乾く冬は、霧吹きで葉に水をかけると、葉の乾燥やハダニの予防になります。乾き具合の見分け方は、盆栽の水やりで詳しく説明しています。

屋外の樹を部屋に飾るとき

松や梅、さつきなど屋外で育てる樹も、正月や花の時期に数日だけ部屋に飾ることはできます。樹への負担を少なくするために、次の流れで飾ります。

  1. 飾る前日に、屋外で鉢底から流れるまで水を与える
  2. 部屋では、直射日光とエアコンの風が当たらない、明るい場所に置く
  3. 飾っている間も、土の乾き具合を朝に見る
  4. 2〜3日たったら屋外に戻す。戻した直後の1日は半日陰で慣らす

暖房の効いた部屋に長く置くと、冬に休んでいる樹が春と勘違いして芽を動かし始めることがあります。飾る日数は短めにします。

肥料と植え替え

肥料は、春から秋の生長期に、ゆっくり効く固形の肥料を少なめに置くか、薄めた液体肥料を与えます。室内は屋外より生長がゆるやかなので、控えめで十分です。冬は与えません。

植え替えは、暖かくなる5〜6月ごろが向いています。2〜3年に1回を目安に、水が染み込みにくくなった、鉢底から根が出てきたといった様子が見えたら行います。

弱ったときに出るサイン

  • 枝がひょろひょろ伸び、葉と葉の間が広い:光が足りていません。より明るい窓辺に移します
  • 葉が一度にたくさん落ちる:置き場所の急な変化や、エアコンの風、冷え込みが考えられます
  • 下の葉から黄色くなって落ちる:水のやりすぎか、根詰まりが考えられます。土が乾くまで待ってから与えます
  • 葉に白っぽいかすれや、細かい糸のようなもの:ハダニの可能性があります。葉の裏まで水で洗い流します
  • 土の表面に白いカビや小さな虫:土が湿りすぎています。水やりの間隔をあけ、風通しをよくします

ガジュマルの育て方をさらに詳しく知りたいときは、こちらをご覧ください。

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