盆栽の展示会やコンテストに出品すると、ふだん自分の棚で見ている樹を、ほかの人の目で見てもらえます。入賞を目指すかどうかにかかわらず、審査の視点を知ることは、日々の手入れの方向を決める助けになります。
いきなり大きな展覧会を目指す必要はありません。多くの人は、地域の愛好会の展示や、盆栽園の小品展から始めます。ここでは大会の種類と、出品するまでの流れ、樹の見られ方を順に説明します。
盆栽の大会・展示会の種類
| 規模 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 地域 | 愛好会の会員展、公園や公民館での展示 | 会員なら出品しやすい。はじめての出品に向く |
| 盆栽園・専門店 | 盆栽園の小品展、即売を兼ねた展示 | 盆栽園の指導を受けながら出品できることが多い |
| 全国 | 国風盆栽展などの全国規模の展覧会 | 事前の審査があり、一定以上の完成度が求められる |
| 国際 | 世界盆栽大会や、各地域の団体の大会 | 展示のほか講演や実演があり、交流の場にもなる |
日本では、1934年に始まった国風盆栽展が代表的な展覧会として知られています。国際的な大会では、1989年に大宮で第1回が開かれた世界盆栽大会があり、そのあとも各国で開かれてきました。ヨーロッパやアジア太平洋地域にも、盆栽の団体による大会があります。
開催の時期や会場、出品の条件は大会ごとに異なり、年によって変わることもあります。最新の情報は主催団体の案内で確かめてください。当サイトのイベント情報でも、各地の展示会を探せます。
名前・樹形図鑑懸崖・文人木・出猩々など、盆栽の名前と樹形の意味図と、その樹形の掲載商品 ›出品するまでの流れ
大会によって手順は違いますが、おおまかな流れは次のようになります。
図:出品までの一般的な流れ。細かな手順は大会ごとに確かめます
- 募集要項を確かめる:出品できる人(会員に限るかなど)、樹の大きさの区分、申込の方法と締め切りを確認します。
- 出品する樹を決める:展示の時期に見頃を迎える樹を選びます。冬の展示なら松柏や葉を落とした雑木、春なら花ものといった具合です。
- 樹を仕上げる:植え替えや大きな剪定は、展示の直前ではなく、樹が回復する時間をとれる時期に済ませておきます。
- 申し込む:全国規模の展覧会では、事前に写真や実物による審査がある場合があります。展によっては、盆栽園を通して出品する仕組みになっています。
- 搬入前の手入れ:鉢を洗い、苔を整え、卓(台)を用意します。名札に書く樹種名や樹の情報も準備します。
- 展示・搬出:展示の期間中は水やりの方法を主催者に確かめておきます。持ち帰ったあとは、明るい日陰で数日休ませます。
審査や鑑賞で見られる点
審査の細かな基準は大会によって違いますが、盆栽の見方として共通する点は多くあります。
図:審査や鑑賞で見られる主な点
- 全体の姿と調和:正面から見たときに、樹の形がまとまって見えるか。樹の大きさと鉢の大きさの釣り合いも含まれます。
- 葉の色・つや:樹が健康に育っているかは、葉にいちばんよく表れます。
- 枝の配り:枝が左右前後にほどよく配置され、重なりや不自然な曲がりがないか。
- 幹の立ち上がり:根元から幹がどう立ち上がり、どう細くなっていくか。
- 根張り:根元が四方にしっかり張って、安定して見えるか。
- 鉢・卓との組み合わせ:樹の雰囲気に鉢の色や形が合っているか、卓の高さや大きさが釣り合っているか。
展示会で作品の見方を学ぶ方法は、こちらで詳しく説明しています。
あわせて読みたい盆栽展の見方|作品のどこを見るか、名札の読み方と会場でのマナー記事を読む ›ポイント
審査で高く評価されるのは、短期間で整えた樹より、何年もかけて健康に育てた樹です。出品を目標にするなら、まず一年を通して樹を元気に保つことが土台になります。
樹の仕上げ方
半年〜1年前
植え替えが必要な樹は、展示の前の適期に済ませておきます。植え替え直後は根が落ち着かず、葉の色も冴えません。枝を大きく切る作業もこの時期までに終えます。
1〜2か月前
針金をかけている場合は、跡が残らないうちに外すか、目立たないように整えます。雑木は芽摘みや葉の整理で輪郭を整えます。肥料は展示の時期に効きすぎて枝が伸びないよう、早めに調整します。
直前
鉢の汚れを落とし、表面の苔や化粧砂を整えます。枯れ葉や雑草を取り除き、葉の裏の虫も確かめます。展示用の卓や、添えの草もの、掛け軸などを使う場合は、全体の組み合わせを一度並べて確かめておくと安心です。

写真:jvmccoy@sbcglobal.net / CC BY 2.0
小さな盆栽をいくつか棚に組み合わせる飾り方では、樹種や高さに変化をつけ、全体で一つの景色になるように並べます。
海外の大会に関わるとき
海外の大会に自分の樹を出品するのは、簡単ではありません。生きた植物を国外へ持ち出したり持ち込んだりするには植物検疫が必要で、土のついた植物は持ち込めない国がほとんどです。そのため海外の大会では、現地の愛好家の樹が中心になり、日本からの参加は見学や講演、実演、写真による参加といった形が多くなります。
見学する場合も、会場での撮影の可否や、樹に触れないといった基本のマナーは国内と同じです。植物検疫の概要は盆栽の国際輸出入ガイドにまとめています。
まずは身近な展示から出品してみたい場合は、地域の愛好会に入るのが近道です。愛好会での過ごし方は、こちらで紹介しています。
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