12月から1月にかけては、盆栽にとって静かな季節です。もみじや欅などの雑木は葉を落とし、細かな枝ぶりがいちばんよく見える時期になります。松や真柏などの常緑樹は冬でも緑を保ち、正月の飾りとして床の間や玄関に置かれます。

この時期は、各地の盆栽園や美術館で新春の展示が行われたり、正月飾り向けの盆栽が多く出回ったりします。ここでは、冬の盆栽の見どころと、年末年始に出かけるときの準備、正月飾りの盆栽を選んで飾るときのコツをまとめます。

12月〜1月の盆栽の見どころ

種類 樹の例 冬の見どころ
寒樹(葉を落とした雑木) もみじ、欅、ブナ 枝の分かれ方や、細かな枝先の美しさ
松柏(常緑の針葉樹) 黒松、五葉松、真柏 冬でも変わらない緑と、幹の力強さ
実もの 南天、ヤブコウジ、ウメモドキ 赤い実の色
花もの 梅、寒椿、福寿草 寒い時期に咲く花

葉のある季節には見えなかった枝の骨格が、冬の寒樹ではすべて見えます。どこで枝が分かれ、どこで細くなっているかを見ると、その樹が何年もかけて手入れされてきたことが分かります。

ポイント

寒樹は「葉がなくて寂しい」のではなく、枝ぶりを見る季節の姿です。展示では、枝先まで細かく分かれた樹ほど見ごたえがあります。

年末年始の展示や盆栽園を訪ねるとき

年末年始は、新春の特別展示を行う施設や、正月飾り向けの盆栽を並べる盆栽園がある一方、休業する施設も多い時期です。開いている日や時間、展示の内容は施設ごとに違い、年によっても変わります。出かける前に、必ず各施設の案内で確かめてください。

各地の展示会はイベント情報で、盆栽園は盆栽園を探すで探せます。盆栽園を巡るときの回り方は、こちらで紹介しています。

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冬に出かけるときの準備

  • 防寒:盆栽園の多くは屋外の棚で樹を見せています。歩く時間が長くなるので、手袋や暖かい靴を用意します。
  • 持ち帰りの用意:盆栽を買う場合に備え、車なら新聞紙や段ボールで鉢が倒れないように固定できるものを、電車なら手提げの袋を持っていくと安心です。
  • 見学のマナー:樹や鉢に触れない、棚の間を急いで歩かない、撮影してよいか確かめる、といった点は季節を問わず同じです。

展示の見方をもう少し詳しく知りたいときは、盆栽展示会での鑑賞方法も参考にしてください。

正月飾りの盆栽を選ぶ

正月の飾りには、松・竹・梅の「松竹梅」や、赤い実のつく南天・ヤブコウジ・千両・万両、黄色い花の福寿草など、縁起がよいとされる植物がよく使われます。これらを一鉢に寄せ植えにしたものもあります。

選ぶときは、次の点を確かめます。

  1. 葉の色:松なら葉が濃い緑でつやがあるもの。黄色い葉が多いものは避けます。
  2. 根元のぐらつき:幹を軽く持って、ぐらぐらしないか見ます。植え付けて間もない株は根が張っていないことがあります。
  3. 寄せ植えの中身:寄せ植えは、草花が正月の一時期だけの飾りとして植えられていることがあります。長く育てたいなら、それぞれの植物の育て方を聞いておきます。
  4. 飾る場所に合う大きさ:床の間や棚の奥行きを測っておくと、選びやすくなります。

正月向けの盆栽の選び方は正月に飾る盆栽の選び方でも紹介しています。

飾り方の基本

床の間や棚に飾るときは、主役の樹(主木)、小さな草ものなどの添え、掛け軸の三つを、三角形を描くように配置するとまとまりやすくなります。三つを一直線に並べず、高さと位置に変化をつけるのがコツです。

正月の盆栽の飾り方。床の間に松などの主木を卓に載せて置き、福寿草などの小さな添えを手前に、季節の掛け軸を奥にかけ、三つが三角形を描くように配置する
図:主木・添え・掛け軸を三角形に配置すると、まとまりが出ます

主木の鉢の下には卓(台)や敷板を置き、床から少し高くします。掛け軸がない場合は、色紙や小さな置物で代えても構いません。

白い器に植えられた小さな草ものが、黒い背景の前の台に飾られている
写真:Carl T. Bergstrom / CC BY 2.0

室内に飾ったあとの戻し方

松や梅などの多くの盆栽は、本来屋外で冬の寒さに当てて育てる樹です。暖かい室内に長く置くと、休眠が乱れて春の芽吹きや開花に影響が出ます。

正月に盆栽を室内に飾るときの流れ。ふだんは屋外の日なたの棚に置き、室内には2〜3日飾る。暖房の風は避ける。そのあと寒風の当たらない屋外へ戻す
図:室内に飾るのは2〜3日を目安に、そのあと屋外へ戻します

  • 飾るのは2〜3日まで:長く飾りたいときは、同じ樹を室内と屋外で数日おきに入れ替えるか、2鉢を交代で飾ります。
  • 暖房の風を避ける:エアコンやヒーターの風が当たると、葉や土が急に乾きます。
  • 水やり:室内では乾き方が屋外と違うので、土を触って確かめます。受け皿にたまった水は捨てます。
  • 戻すとき:屋外に戻したら、冷たい北風の当たらない軒下などに置き、鉢土が凍らないようにします。

注意

福寿草のように、正月に花が咲くよう暖かい場所で育てられた株は、寒さに急に当てると傷むことがあります。花が終わるまでは、寒さのやわらかい明るい場所に置きます。

正月明けの管理

1月から2月は、多くの盆栽が休眠している時期です。水やりは乾いたのを確かめてから、晴れた日の午前中に与えます。肥料は与えません。寒さで鉢土が凍りそうな夜は、軒下や無加温の室内に移します。

冬の管理で失敗しやすい点は、こちらにまとめています。

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