盆栽展は、手入れの行き届いた樹を間近で見られる貴重な機会です。本や写真では分かりにくい幹の太さや鉢との釣り合いが、実物を前にするとよく分かります。

関東は盆栽の催しが多い地域で、規模の大きな展覧会から、地域の愛好会が開く小さな展示まで、季節を問わずどこかで開かれています。ここでは、日付に頼らずに催しを選ぶための見方を説明します。開催日や会場、入場料は年ごとに変わるので、イベント情報や主催者の案内で確かめてください。

催しの種類

種類 内容 向いている人
大きな展覧会 全国から選ばれた樹が並ぶ。格式の高い展示が多い 完成度の高い樹を見てみたい人
愛好会・団体の展示会 会員が育てた樹を持ち寄って展示する。小品や特定の樹種が中心のことも 身近な大きさの樹を見たい人、仲間を探したい人
樹種ごとの展示 さつき、山野草、水石など、一つの分野に絞った展示 好きな樹種がはっきりしている人
即売会・鉢市 樹や鉢、道具を販売する。展示と同時に開かれることも多い 樹や鉢を買いたい人

関東では、上野周辺の美術館や貸会場、さいたま市の大宮盆栽村周辺などで催しが多く開かれます。日本盆栽協会が主催する国風盆栽展は、上野の東京都美術館で長く開かれてきた歴史のある展覧会として知られています。

今月の手入れ10月の盆栽の手入れ水やりの目安・置き場所・肥料と、今月の作業 ›

季節ごとに見られるもの

展示される樹は、その時期にいちばん見ごろのものが中心になります。どの季節に行くかで、会場の雰囲気がかなり変わります。

盆栽展で見られるものの季節の目安。梅などの早春の花は1月中旬〜3月、春の花ものは3月中旬〜5月、さつきは5月下旬〜6月、小品や山野草は春と秋、紅葉と実ものは10〜12月、正月飾りや鉢市は12月〜1月
図:会場で見られるものの季節の目安。実際の内容は催しごとに確かめます

  • 冬〜早春(1〜3月):梅や長寿梅などの花もの、葉を落とした落葉樹の枝ぶりが見どころです。
  • 春(3〜5月):桜や藤、カイドウなどの花ものが並びます。新緑の雑木も見ごろです。
  • 初夏(5〜6月):さつきの展示が増えます。花の色や咲き分けの違いを比べられます。
  • 秋(9〜12月):もみじや欅の紅葉、柿や姫リンゴなどの実ものが見ごろです。小品盆栽の展示も多くなります。
  • 年末年始:松竹梅の寄せ植えなど、正月飾り向けの樹や鉢を扱う催しが開かれることがあります。

テントの下の長い台に、花の咲いたさつきの盆栽が並ぶ展示会
写真:istolethetv / CC BY 2.0

季節の目安

落葉樹の枝の美しさを見たいなら冬、花ものなら春、葉の色の移り変わりなら秋がおすすめです。同じ樹種でも、季節が変わると見どころが変わります。

開催情報の探し方

  1. イベント情報を見る:当サイトで、各地の催しの情報をまとめています。
  2. 主催者の案内で確かめる:開催日、時間、入場料、写真撮影の可否は、主催する団体や会場の案内が最新です。出かける前に必ず確かめます。
  3. 盆栽園の告知を見る:盆栽園が展示や即売会を開くこともあります。近くの盆栽園は盆栽園を探すで調べられます。

会期が1〜2日だけの催しも多いので、行きたい催しが決まったら早めに予定に入れておきます。

会場での見方

展示の樹は、正面が決まっています。卓の前に立ち、少し離れたところから全体を見てから、近づいて細かいところを見ます。

展示の盆栽を見る順番。正面から全体の形、根張り、幹の立ち上がりと肌、枝の配りと葉の色、鉢や卓との釣り合い
図:全体から細部へ、この順に見ると特徴がつかみやすくなります

  1. 正面から全体の形と、樹の傾き
  2. 根元の根張り(土をつかむように広がっているか)
  3. 幹の立ち上がりと、樹皮の様子
  4. 枝の配りと、葉の色や細かさ
  5. 鉢や卓、添えられた掛け軸や草との釣り合い

名札には樹種や樹形が書かれていることが多いので、気になった樹は名札も一緒にメモしておくと、あとで調べるときに役立ちます。鑑賞のしかたは、こちらで詳しく説明しています。

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会場でのマナー

  • 樹や鉢、卓には触れない
  • 写真撮影は、会場の決まりに従う。撮影できない会場や、即売の場所だけ撮影できない会場もあります
  • 通路をふさがないよう、混んでいるときは一鉢の前に長くとどまらない
  • 大きな荷物やリュックは、展示台に当たらないよう体の前に持つ

注意

展示の樹は、出品者が長い年月をかけて育てたものです。枝先が少し触れただけでも芽が傷むことがあるので、指さすときも距離をとります。

はじめて行くときの心づもり

展示だけを見るなら、小さな催しで30分〜1時間、大きな展覧会で1〜2時間ほどを見ておくと、ゆっくり回れます。即売や体験コーナーがある催しでは、さらに時間がかかります。

すべての樹をじっくり見ようとすると疲れてしまうので、最初に会場を一回りして全体を眺め、気になった樹のところに戻って細かく見るのがおすすめです。出品者や係の方が会場にいるときは、樹の名前や手入れのことを尋ねると、丁寧に教えてもらえることもあります。

催しの日程が合わないときは、常設の展示で盆栽を見られる場所もあります。さいたま市の大宮盆栽美術館では、季節ごとに入れ替わる名品を見ることができ、周辺の大宮盆栽村には盆栽園が集まっています。盆栽園の中には、庭の樹を見学できるところもあります。

即売会で買って持ち帰るとき

即売会では、その場で樹を選べるのが魅力です。買う前に、家での置き場所を思い浮かべておくと選びやすくなります。

  • 持ち帰りの準備:小さな鉢なら手提げ袋で持ち帰れます。倒れないよう、浅い箱があると安心です
  • 夏と冬の持ち帰り:夏は車内に置いたままにしない、冬は冷たい風に長く当てないようにします
  • 育て方を聞いておく:売り場の方に、水やりの頻度や置き場所を聞いておくと、帰ってからの管理に困りません

家に着いたら、まず半日陰の屋外で1〜2日休ませてから、日当たりのよい場所に移します。最初の一鉢を選ぶときの考え方は、盆栽初心者が最初に選ぶべき樹種5選も参考にしてください。