盆栽は、盆栽園や通販で買うほかに、競りや入札で売り買いされることもあります。ふだん店頭に並ばない樹や、愛好家が長く育ててきた樹に出会える場ですが、仕組みを知らずに参加すると、思った以上の金額になったり、樹の状態を見誤ったりしがちです。

大切なのは、参加する前に「規約を読む」「下見をする」「上限額を決める」の三つを済ませておくことです。

盆栽が競りや入札で売り買いされる場

場の種類 主に参加する人 特徴
業者どうしの市(競り市) 盆栽園などの業者 一般の人は参加できないことが多い。業者を通じて買う
愛好会・団体の入札会や交換会 会員や、その紹介を受けた人 会員が育てた樹が出る。参加の条件は会ごとに異なる
展示会などに合わせた即売や入札 来場者 実物を見て決められる。開催の有無や方式は催しごとに異なる
ネットオークション・フリマ 誰でも 手軽だが、写真と説明だけで判断する

参加できるかどうか、手数料はいくらか、支払いや引き取りはどうするかは、場ごとに決まりが違います。日程や参加方法は主催者の案内で確かめてください。盆栽の展示会などの催しはイベント情報で探せます。

参加の流れ

盆栽の競り・入札に参加する流れ。規約を読み、下見をし、手数料と送料を含めた上限額を決め、落札後に支払いと引き取りをして養生する
図:下見と上限額の決定が、競りの前の準備のすべてです

  1. 規約を読む:参加資格、手数料、支払いの期限と方法、引き取りや配送の方法、落札後の取り消しができるかを確かめます。
  2. 下見をする:会場なら開始前に、ネットなら写真と説明で、樹の状態を確かめます。
  3. 上限額を決める:手数料や送料を含めて、払ってよい総額を決めておきます。
  4. 落札後:期限内に支払い、引き取りや配送を手配します。届いた樹はしばらく養生させます。

下見で見ておきたいこと

競りの場では、樹を手に取ってじっくり見る時間が限られます。見る順番を決めておくと、短い時間でも要点を押さえられます。

樹の元気さ

  • 葉の色とつやが、その樹種らしいか。黄ばんだ葉や、先が茶色く枯れた葉が多くないか
  • 枝先に枯れ込みがないか。冬なら、芽がふっくらしているか
  • 幹に大きな傷や皮のはがれ、虫が入った跡(木くず)がないか

根元と土

  • 幹を軽く持ってぐらつかないか。植え替えたばかりの樹は根が落ち着いていないことがある
  • 土の表面が固く締まって水が染み込みにくくなっていないか。鉢底から根がはみ出していないか
  • いつ植え替えたかを聞けるなら聞いておく

鉢

  • ひび、欠け、底の穴の周りの割れがないか
  • 樹の大きさに対して鉢が小さすぎないか(水切れしやすい)

鉢そのものに価値がある場合もありますが、まずは樹が元気かどうかを優先して見ます。樹の姿の見方(正面、根張り、幹の流れ、枝の配り)は、こちらの記事で詳しく説明しています。

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注意

ネットオークションでは、写真が撮られた時期と出品の時期が離れていることがあります。いつ撮った写真か、写真の樹そのものが届くのか、季節に合わない葉の色になっていないかを、説明文と質問で確かめます。

上限額の決め方

落札額のほかにかかる費用。落札額に手数料、送料、手入れの費用を足した総額で考え、上限額は全部込みで先に決める
図:落札額だけでなく、支払う総額で考えます

競りの場では、ほかの人が値を上げるのを見ていると、つい予定より高く入れてしまいがちです。参加する前に、手数料、送料や引き取りの交通費、植え替えの土や新しい鉢まで含めた「払ってよい総額」を決め、そこから落札額の上限を逆算しておきます。

上限に届いたら、その樹は見送ります。同じような樹は、また別の機会に出てきます。

ポイント

気になる樹の写真やメモを残しておき、落札できなかった樹も含めて、後で落札額を振り返ると、その場の相場感が少しずつ分かってきます。

季節で変わる注意点

樹の状態の見え方は、季節によって変わります。春から初夏は葉が若く、元気そうに見えやすい時期です。夏は水切れの跡が葉先に出やすく、秋は葉が傷んでいても紅葉と見分けにくくなります。冬の落葉樹は葉がないぶん、枝先の芽の様子で判断します。

また、真夏と真冬の落札は、持ち帰りや配送の間に樹が傷みやすくなります。車で引き取るときは、夏は車内に置いたままにしない、冬は鉢土が凍らないよう包むなど、移動中の扱いも考えておきます。

落札した樹を迎えた後

運ばれてきた樹は、環境が変わったことで少し疲れています。

  1. 届いたらすぐに箱から出し、土が乾いていれば鉢底から流れるまで水を与える
  2. 2〜3日は、直射日光と強い風を避けた明るい屋外で休ませる
  3. 前の持ち主の置き場所や水やりの回数が分かれば、しばらくはそれに近づける
  4. 植え替えや強い剪定は、その樹種の適期まで待つ

新しく迎えた樹には、ほかの樹に害虫を移さないよう、しばらく少し離して置き、葉の裏や幹を確かめておくと安心です。

はじめて参加するときは

いきなり高額な樹を狙うより、まずは愛好会の交換会や、展示会に合わせた即売など、実物を見て相談できる場から始めるのがおすすめです。愛好会に入ると、会員どうしの入札会や交換会に参加できることもあります。

愛好会への参加の仕方は盆栽愛好会への参加ガイドで、店や通販で買うときの見方は盆栽はネットと店のどちらで買う?で紹介しています。