
子育てママの盆栽生活|忙しい日々に癒しと成長を求めて
子育てママの盆栽生活|忙しい日々に癒しと成長を求めて
山田愛子(やまだ あいこ)
33歳 / ワーキングマザー / 東京都在住
プロフィール:
IT企業でマーケティング職として働く33歳のワーキングマザー。3歳の娘「ひなちゃん」を育てながら、フルタイムで勤務。慌ただしい毎日の中で「自分だけの時間」と「心の癒し」を求めて盆栽の世界に足を踏み入れた。現在は家族ぐるみで盆栽を楽しむライフスタイルを確立。
こんにちは、山田愛子です。3歳の娘を育てながらフルタイムで働く、いわゆる「ワーキングマザー」です。毎日が慌ただしく過ぎていく中で、ふと「自分の時間って何だろう?」と思うことがありました。そんな私が盆栽と出会い、子育てと仕事の合間に見つけた小さな幸せについてお話ししたいと思います。
第1章:忙しすぎる日々の中で見つけた「緑の癒し」
きっかけは娘の一言だった
2024年春のことでした。保育園から帰ってきた3歳の娘・ひなが「お花きれい!」と言いながら、近所のお宅の庭先にある小さな盆栽を指差したんです。その時の娘の笑顔があまりにも純粋で、私も一緒にその盆栽を見つめました。
「これ、盆栽って言うのよ」と教えてあげると、「ぼんさい?」と首をかしげる娘。その小さな鉢の中に広がる緑の世界に、なぜか心が引かれました。
編集部注: 最近の調査では、30代女性の盆栽人口が増加傾向にあります。特に子育て世代の女性が「育てる楽しみ」を通じて盆栽に興味を持つケースが多く報告されています。
「時間がない」という先入観
正直、最初は「盆栽なんて時間がかかりそう」「毎日世話しないといけないんでしょ?」と思っていました。朝は7時に家を出て、保育園のお迎えは18時半。帰宅後は夕食作り、お風呂、寝かしつけ...。自分の時間なんて、娘が寝た後の1-2時間しかありません。
でも、ネットで調べてみると「初心者でも育てやすい盆栽」があることを知りました。特に「ガジュマル」という植物は手入れが簡単で、室内でも育てられるとのこと。
「もしかして、私でもできるかも?」
そんな小さな希望が芽生えました。
編集部注: ガジュマルは沖縄原産の常緑高木で、盆栽初心者におすすめの樹種の一つです。耐乾性があり、週1-2回の水やりで十分。忙しい現代人のライフスタイルに適した盆栽として人気が高まっています。
初めての盆栽ショップ
休日、娘を夫に預けて一人で盆栽ショップに足を運びました。お店に入った瞬間、緑の香りと静寂に包まれて、なんだか心が落ち着いたのを覚えています。
「初心者なんですが...」と恐る恐る店主さんに声をかけると、とても優しく対応してくださいました。
「お子さんがいらっしゃるんですね。それでしたら、丈夫で手入れの簡単なものをおすすめします」
店主さんが選んでくれたのは、手のひらサイズのガジュマルの盆栽でした。価格も3,000円と、始めやすい金額。「これなら、もし失敗しても大きな痛手にはならない」と思いました。
第2章:子育ての合間に見つけた「5分間の贅沢」
朝の水やりが日課になった
盆栽を家に持ち帰ってから、朝の習慣が変わりました。娘が起きる前の7時頃、コーヒーを淹れながら盆栽の様子をチェック。土の乾き具合を見て、必要に応じて水をあげる。
たった5分ほどの時間ですが、この静かな時間が私にとって何よりも貴重でした。緑の小さな葉を見つめていると、なんだか心が洗われるような感じがして。
「おはよう、元気?」と盆栽に話しかけるのも、いつの間にか習慣になっていました。
編集部注: 植物との対話は科学的にもストレス軽減効果があると報告されています。特に朝の時間に植物と触れ合うことで、一日のストレス耐性が向上するという研究結果もあります。
娘も巻き込んで
最初は一人の時間として始めた盆栽でしたが、娘も興味を示すようになりました。
「ママ、お水あげる!」と言って、小さなじょうろを持ってお手伝い。時々水をあげすぎたり、土をこぼしたりしますが、その真剣な表情を見ていると微笑ましくて。
「ひなちゃんが優しくお水をあげてくれるから、盆栽さんも喜んでるね」と言うと、得意そうに笑う娘。この時間が、私たち親子の大切なコミュニケーションタイムになりました。
2鉢目、3鉢目...
ガジュマルの世話に慣れてくると、他の盆栽にも興味が湧いてきました。オンラインの東京新春体験教室で「子連れ参加OK」のワークショップを見つけて、娘と一緒に参加したんです。
そこで「苔玉」作りを体験。娘も一緒に土をこねこね、とっても楽しそうでした。作った苔玉は玄関に飾って、来客の方々にも好評でした。
編集部注: 近年、親子で参加できる盆栽ワークショップが増加しています。特に東京都内では月に20回以上の親子向けイベントが開催されており、家族で楽しめる趣味として盆栽の認知度が高まっています。
第3章:ママ友ネットワークから広がった盆栽コミュニティ
保育園での話題に
娘のお迎えの時、他のママたちとの立ち話で盆栽の話をすることがありました。
「愛子さん、盆栽やってるんですって?」
「おじいちゃんの趣味だと思ってたけど、若い人もやるのね」
最初は「変わった趣味」として見られることもありましたが、話してみると意外に興味を持ってくれるママが多くて。特に、「子育てで疲れた時の癒し」という部分に共感してくれる方が多かったです。
ママ盆栽部の結成
そんな中で出会ったのが、同じ保育園に通う田中さんと佐藤さん。田中さんは多肉植物を育てていて、佐藤さんは家庭菜園が趣味。みんな「植物」つながりで意気投合しました。
「今度、みんなで渋谷公園盆栽ワークショップに参加してみない?」という私の提案から、非公式の「ママ盆栽部」が誕生。
月に1回、子どもたちを夫やおじいちゃん・おばあちゃんに預けて、盆栽関連のイベントに参加するようになりました。
編集部注: 「ママ盆栽部」のような小規模コミュニティは全国各地で形成されています。SNSを通じて情報交換を行い、子育て世代の女性が盆栽を楽しむ新しいスタイルとして注目されています。
家族全体の変化
盆栽を始めてから、我が家に起きた一番大きな変化は「緑のある暮らし」を家族全員が楽しむようになったことです。
夫も最初は「また新しい趣味?」という感じでしたが、今では「この盆栽、葉っぱが増えたね」と声をかけてくれるように。娘は「ぼんさいちゃん」と呼んで、毎日「おはよう」「おやすみ」の挨拶をしています。
週末には家族で京都盆栽ワークショップのような遠出のイベントにも参加。娘にとっても、植物の成長を観察することが自然教育になっているようです。
第4章:1年後の私たち~時間管理と心の余裕
効率的な世話のコツを覚えた
盆栽を始めて1年が経ちました。現在、我が家には7鉢の盆栽があります。「そんなにあったら大変でしょ?」とよく言われますが、実はそうでもないんです。
私なりの時間管理法:
⏰ 平日5分ルーティン
- 朝(7:00-7:05):土の乾燥チェック、必要に応じて水やり
- 夜(21:00-21:05):1日の成長観察、葉の色や形の変化確認
🌱 週末15分メンテナンス
- 土曜の朝:剪定、植え替えの必要性チェック
- 日曜の朝:娘と一緒に位置換え、鉢の清掃
編集部注: 効率的な盆栽管理は時間のない現代人にとって重要なポイントです。1週間あたり平均30分程度の世話時間で十分に盆栽を楽しむことができるという調査結果が出ています。
心の変化と成長
盆栽を始める前の私は、いつもイライラしていました。娘が言うことを聞かない時、仕事でミスをした時、家事が思うように進まない時...。
でも今は、何かストレスを感じた時に盆栽を見ると、心が落ち着くんです。「この小さな木も、毎日少しずつ成長している。私も焦らなくていいんだ」と思えるようになりました。
娘への接し方も変わったと思います。以前は「早く!」「ダメ!」と言うことが多かったのですが、盆栽の「ゆっくりと育てる」姿勢を見習って、娘の成長もじっくり見守れるようになりました。
新しい目標と展望
🎯 1年後の目標
個人目標
- 15鉢までコレクション拡大
- 剪定技術の習得
- 季節ごとの世話パターン確立
家族目標
- 娘と盆栽カフェ巡り
- 家族での盆栽展示会見学
- ベランダに盆栽コーナー設置
ママ盆栽部のメンバーと一緒に、いつか東京盆栽大観展のような大きなイベントにも参加してみたいと思っています。娘がもう少し大きくなったら、親子で本格的な盆栽作りにも挑戦したいですね。
まとめ:忙しいママにこそおすすめしたい盆栽ライフ
子育てと仕事で忙しい毎日を送るママたちに、私は自信を持って盆栽をおすすめしたいと思います。
盆栽がママライフに与えてくれるもの:
- 5分間の贅沢な一人時間
- 子どもとの新しいコミュニケーション
- 同じ趣味を持つママ友との出会い
- 心の余裕と癒しの時間
- 家族全体の「緑のある暮らし」
「時間がない」「難しそう」という先入観を持っている方も多いと思います。でも、始めてみると案外簡単で、何より心が豊かになります。
小さな鉢の中で育つ緑を見つめる時間は、慌ただしい日常の中で自分を見つめ直す大切な時間にもなりました。
もし、この記事を読んで少しでも興味を持ってくださったなら、まずは小さなガジュマルから始めてみませんか?きっと、新しい発見と癒しが待っていると思います。
編集部注: 子育て世代の盆栽愛好家は過去5年で3倍に増加しています。特に「時短盆栽」「親子盆栽」というキーワードで検索する女性が急増しており、新しい盆栽文化の形成が注目されています。
この体験談は、実際に盆栽を楽しむ30代ワーキングマザーの方への取材を基に作成されました。個人の体験や感想であり、効果には個人差があります。
取材・編集:盆栽カタログ編集部
撮影協力:都内盆栽ショップ各店